Amazonが新たなサービスを配信しました。
その名も、Kindle Unlimited(キンドル・アンリミテッド)。月額980円で12万冊の本が読み放題のサービスとのことで、本好きだけでなく、普段からあまり本を読まない層の間でも話題になっています。
ただ、12万冊とはいえ、あまりにも普段から読まないような本ばかりラインナップに加わっていても意味がないもの。そこで今回は、Kindle Unlimitedとはどんなサービスか、どんな本のジャンルがあるのかをご紹介しつつ、レビューをしていきたいと思います。
Kindle Unlimitedとはどんなサービス?
先ほどもご紹介しましたが、Kindle Unlimitedとは、月額980円で本が読み放題というサービスであり、配送が無料になるAmazonのPrime(プライム)会員やStudent(スチューデント)会員とはまた別のサービスになります。ですので、Prime会員だからと言ってUnlimitedが利用できるわけではないので注意が必要です。
また、Unlimitedを利用するには、そもそもAmazonの電子書籍サービスであるKindleを読める環境でなければいけません。もし、まだ利用したことが無い方は、Kindle端末を使うか、パソコン、スマートフォン、もしくはタブレットにKindleアプリをダウンロードする必要があるでしょう。
ちなみに、Unlimitedは現在一カ月間無料で利用できるようです。とりあえず気になっている方は、無料体験をしてみてから判断してもいいかもしれません。
無料のラインナップは?
私は雑誌が好きなので、雑誌のラインナップを見てみたところ、トップにあげられていたのは、以下の通りのラインナップでした。
女性ファッション誌の『ViVi』
奥様のレシピ本『オレンジページ』
男性向けライフスタイルの『男の隠れ家』
ファッションやビジネスの『Mens'EX』
肉体改造を取り上げる雑誌の『Tarzan』
etc……
まあ、有名どころですね。あとは、『Casa BRUTUS(カーサ ブルータス)』や『THE MOOK(ムックシリーズ)』『Pen』など、有力な雑誌の新刊が多かったので、雑誌をよく読む方にはけっこう特典がデカいのではないかなと思います。
料理好きな方、ファッション誌を読むのが好きな方、あとは旅好きの方におすすめと言えるでしょう。旅行の際には、雑誌を参考にしていくことが多いと思うので、『旅の手帳』など、旅行誌のラインナップが豊富なUnlimitedは役に立つ機会のほうが多いかと思います。
ブロガー必読?実用書系のラインナップ
あ、ちなみにブロガーなら興味のあるであろうイケダハヤト先生の『「凡人」を脱するための10の考え方。』や『「自分に自信がない人」は、文字通り「何をやってもダメ」だと思った話。 』なんかも無料で配信されていましたよ。「お金を使うのは嫌だけど、あれだけ話題になっているなら読んでみたい」という方にはうってつけかもしれません。
余談ですが、イケダハヤトさんってイケハヤ書房なんて名乗っていたんですね。何本も本を出版させる気があったのがうかがえます。やっぱりあの人はブロガーってより企業家っぽいですよね。炎上気質さえなければ素直に応援できるんですが……。
ただ、それを除いてもWORDPRESSのテクニック集やHTML・CSSのコーディングについての本が無料で配信されていたので、ブログやサイト作成に興味のある方はUnlimitedを利用して損することは決してないと思います。
あと無料読み放題で公開されているあたりでメジャーな新書でいけば、『わかったつもり~読解力がつかない本当の原因~』や『自分に気づく心理学』あたりは、少し古いですがけっこう多くの人に読まれているので、知っておいてもいいかもしれません。
ラノベや漫画などサブカル系はどうか?
ちなみに、ライトノベルや漫画などのジャンルはどうかな?と、ラインナップを見てみると『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。』などメジャータイトルもあってすごいじゃん!と思っていたのですが、2巻目からは普通に有料でした……。
まあ、そらそうですよね。なんというか、本好きの方からしたら"1巻無料でお試し"でメジャータイトルが読めるサービスぐらいに思っておいたほうがいいのかもしれません。
ただ、少し前のラノベだと、アニメ化したようなタイトル『俺がお嬢様学校に「庶民サンプル」として拉致られた件』などでも10巻まで無料と、全巻無料というわけではないですが、かなり最後まで無料で読むことができるようです。
ラノベは移り変わりが激しいですし、アニメ化が終了してしまうと一気に値崩れするので、今後はバンバン配信されるかもしれませんね。
一方、漫画はというと、こちらは少し人を選ぶかもしれません。理由としては、少年コミックのラインナップが圧倒的に少ないこと
青年コミックは『ブラックジャックによろしく』や『海猿』など、メジャータイトルがけっこうあるので、青年コミック好きにはおすすめなのですが、少年コミックはラインナップが少ないです。
まあ、ジャンプやマガジン、サンデーなど、いまだに少年コミック誌は力を持っていますし、ジャンプ+など独自の漫画配信アプリなども持っているので、Unlimitedに参加することはないかもしれません。
現状は、少女マンガや青年漫画を読む方にはおすすめというのが結論です。
本好きの視点から見たKindle Unlimited
Kindle Unlimitedを一言で言うなら「スゴイ!」。これに尽きるんですが、本好きとしては自分が過去に買った書籍が0円で配信されているのを見ると、なんか損したような、少し物悲しいような気分になります。
あと、気にしている点も。
・0円で読まれた本がその価値を評価してもらえるか
・知識は無料だという意識が根付いてしまわないか
この2点です。最初は、「Unlimitedで本が配信されるだろうから、本は買わない」という層が出てきやしないかなんて心配していましたが、よく考えたらそんな層はそもそも本を買わないので関係ないなと思い至った次第です。
ただ、「じゃあ、お前はUnlimitedを利用しないんだな」と言われると話は別。やっぱり定額で利用できるものは利用したい気持ちは私にだってあります。
どっちつかずだなぁと思われるかもしれませんが、「0円で読んだ本でも、しっかりと自分の身に着けるよう意識する」「知識は有料だが、人の目に触れなくなってきた本や書籍はあらためて拾い上げていく必要がある」といった点にも目を向けて、Kindle Unlimitedを利用していきたいと思います。
願わくば、新品の本がいきなりUnlimitedに登録されるような状態にはなって欲しくないところですが、ラインナップを見たところそんな状態にはならなさそうで安心しました。